8月27日発売の『ユリイカ 特集*太宰治/坂口安吾 〜無頼派たちの"戦後"』に「大人の仕事」と題したエセーを書きました。いまなにかを書こうと思えば、また同じことを書いてしまいそうなので書きませんが、わたしは本当に安吾の文学が好きです。このエセーを書いて、あらためてそう思いました。この原稿を書いた直後に書いたものなので、このエセーの補遺として、下の「『関係性』という言葉について」と題した書き込みも読むことができると思います。
ユリイカ2008年9月号 特集=太宰治/坂口安吾 無頼派たちの“戦後”
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2008/08/27
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私はこの愛情に疲れきってしまった。そして、全然愛していないあるバーの女と同棲したのは、矢田津世子を忘れたい一念であった。自分をバカにしたい一念からであった。私は私自身をバカにし突き放してしまいたい一念であったに拘わらず、矢田津世子は私に裏切られたような怒りをいだいていたようであった。思いもよらないことであった。(「世に出るまで」)
- 作者: 坂口安吾
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1991/07
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