Naked Cafe

横田創(小説家)

ジョルジュ・バタイユ『太陽肛門』酒井健/訳(景文館書店)

私も汚れたパロディなのだ———  バタイユ29歳、図書館司書。陽気で、破廉恥に生きたい 「病的な人間」だった頃。

太陽肛門

太陽肛門

 

夢も見ずに私の腕にもたれかかり、ぐったり所在なげのこの女は、もはや私の外部にいる人間ではない。それはちょうど私がそこから見たり通ったりする窓や扉が私と無縁ではないのと同じだ。

純然たる幸福 (ちくま学芸文庫)

純然たる幸福 (ちくま学芸文庫)

 

人間は、自然を否定するけれども、けっして自然から離れて存在することはできない。人間は〈自然〉を否定する人間であるだけではなく、何よりもまず一個の動物なのである。すなわち自分が否定している当の事物なのである。したがって、人間は、自分自身を否定せずに〈自然〉を否定することができないのだ。(Ⅲ ヘーゲル論 ヘーゲル、死と供儀 第一章 死)

景文館書店