Naked Cafe

横田創(小説家)

パンと友だち

新潮 2009年 04月号 [雑誌]

新潮 2009年 04月号 [雑誌]

「ほら見てごらん、風が吹いて、いま落ち葉がひらひら落ちてきただろ。きみもあんなふうに、夜はベッドの上に、落ちてみるのはどうだろう」

3月7日発売の『新潮 4月号』に、短編小説を発表しました。短編、といっても、七十枚ほど。百枚を超える短編というのも「あり」なのではないかと思うようになりました。なので「短編」と呼ぶことにあまり意味がなくなるかと思いきや、逆に意味を見出しつつあるのが最近の驚きなのです。裏を返せば長編の意味がまったくと言ってもいいほどわからなくなってきたので、二百枚とか三百枚の「短編」に挑戦してみようと思っています。などというと、冗談みたいですけど、これ本気です。いまは短編を書くことで長編/短編という区別を止揚することがわたしの目標なのです。