
横田 で、この『親しい友人たち』の中 でも「待っている女」「ジャンの新盆」「夏の葬列」とまず三つ上げたい。さっきてんでバラバラといったけれど、この三つの作品には本人が意図しているか どうかはともかく共通している点がひとつだけあるんです。それは己を見る、 自分を知るということ。もっといえば知りたくもない自分のことを知ってしま うという恐怖を描いているということですね。 「待っている女」というのはすごく単純な話で、夫婦喧嘩をしてヨメが出て いった。どこに行ったかわからない。朝メシも食えない。やることがないから 窓から外を眺めていたら、タバコ屋の角に女がひとり立っている。時を置いて また見たら、まだ立っている。どうしても気になって、切れたわけでもないのに タバコを買いに行って女を観察する......ここでタバコの銘柄が出てきますよね。竹田 これ、いいですよねー。「憩」でしたっけ?