イワシの味噌漬けと下仁田葱の蕎麦
『落としもの』取扱書店
◎北海道・東北
◎上信甲越
◎関東
うさぎや宇都宮駅東口店(栃木県)
ときわ書房志津ステーションビル店(千葉県佐倉市)
◎東京都
かもめブックス(東京都新宿区)
神楽坂モノガタリ(東京都新宿区)
芳林堂書店高田馬場店(東京都新宿区)
紀伊國屋書店新宿本店(東京都新宿区)
伊野尾書店(東京都新宿区)
ジュンク堂書店池袋本店(東京都豊島区)
三省堂書店池袋本店(東京都豊島区)
くまざわ書店池袋店(東京都豊島区)
青山ブックセンター本店(東京都渋谷区)
代官山蔦屋書店(東京都渋谷区)
SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(東京都渋谷区)
二子玉川蔦屋家電(東京都世田谷区)
本屋 B&B(東京都世田谷区)
本屋 Title(東京都杉並区)
マルノウチリーディングスタイル(東京都千代田区)
三省堂書店神保町本店(東京都千代田区)
SUNNY BOY BOOKS(東京都目黒区)
双子のライオン堂(東京都港区)
BOOKS 青いカバ(東京都文京区)
オリオン書房ノルテ店(東京都立川市)
パルコブックセンター調布店(東京都調布市)
◎東海
ザ・リブレットイオン千種店(愛知県名古屋市)
ザ・リブレット ラシック栄店(愛知県名古屋市)
リブレット大名古屋店(愛知県名古屋市)
ON READING(愛知県名古屋市)
◎関西
◎中国・四国・九州
ブックスキューブリックけやき通り店(福岡県福岡市)
ジュンク堂書店福岡店(福岡県福岡市)
先行発売のお知らせ
2018年1月17日から、二子玉川蔦屋家電BOOKフロアにて、短編集『落としもの』の先行販売をします。
【※新刊先行発売※】
— 二子玉川 蔦屋家電 BOOKフロア (@TE_BOOK00) 2018年1月17日
横田創、7年ぶりの新刊『落としもの』の先行発売を開始しました!
サイン本が5冊入荷しました(が、残り3冊です)。
『埋葬』で横田ファンになった方や、そうでない方ももちろん、ぜひご一読ください! pic.twitter.com/1KU6uqcb5S
短編集『落としもの』
- 作者: 横田創
- 出版社/メーカー: 書肆汽水域
- 発売日: 2018/01/22
- メディア: 単行本
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収録作品
お葬式(「ユリイカ」2008年12月号)
落としもの(「新潮」2008年11月号)
いまは夜である(「群像」2008年1月号)
残念な乳首(「群像」2008年8月号)
パンと友だち(「新潮」2009年4月号)
ちいさいビル(「すばる」2007年11月号)
カバー・扉写真:Nguan
装幀:中原麻那
印刷所:藤原印刷株式会社
発行者:北田博充
発行所:書肆汽水域
交換することのできないもの
なにも言わなくても、まわりにいる男たちが全部してくれた。母親の再就職先も決めてくれたし、病気の治療もしてくれた。ちいさいときからずっとそうだ。なにもしなくても、なにも言わなくても機械のようにそれは動き始める。
- 出版社/メーカー: Happinet
- 発売日: 2017/11/02
- メディア: DVD
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言葉を持たぬ子供たち
つまりは、いまここにいる自分はまだ自分ではない、いまのままではいけない、変わらなければいけないと常に自分自身を否定しつづけている状態。大人になることを運命づけられた者の仮の姿。それが子供である。『輪るピングドラム』の陽毬の余命、その運命を、わたしはそう捉えている。
緊急企画 安全保障関連法案とその採決についてのアンケート への回答(全文)
『早稲田文学 2015年 秋号』に掲載されたアンケートへの回答の全文をここに掲載します。250字という依頼を2500字と勘違いして書いてしまった、推敲前のものです。
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強姦した者は、してないとは言わない。したはしたけど、和姦だったと主張する。まさに安倍政権がそうで、従軍慰安婦が存在しなかったとは言わないが、強制ではなかった、和姦だった、相手も望んでしたことだと主張する。あたかも和姦であるかのように日米安全保障条約を改定するという、このたびの醜態の根は、そこにあると思う。言わずもがなのことだが、すべてのセックスは強姦である。暴力によって/おいて為されるものである。すべての条約が、不平等条約であるのと同じだ。平等な条約、合意の上でのセックス。そんなものがあると思うのは、ただの妄想である。強姦であったのかなかったのか。事後的に裁決する権利は、強姦された側の者にしかない。それは、された側にだけゆるされた快楽である。これはいじめではない、みずから望んでしたことだと言えるのは、いじめられた側の者だけであって、いじめた側の者が、これはいじめではない、合意の上でのセックスだと、ただちょっと遊んでやったのだと主張することは、おれは殺してない、相手が望んだから、殺せと言うから殺してやっただけだと主張することに等しい。浮世絵が印象派の絵画に多大な影響を与えたと言えるのは、印象派の画家たちだけであるように。ほらみたことか、日本の文化は偉大なのだ。西洋にも認められたのだ主張する。この倒錯が、安倍政権と、それを支持する者たちの根源にあるとわたしは思う。かつてこの国は、アメリカに強姦された。日米安全保障条約という、この不平等条約を、和姦だったと認めるのか(=親米)。強姦だったと主張するのか(=反米)。アメリカに強姦されることで発生したものは、日米安全保障条約だけではない。日本国憲法も、同じ暴力によって/において可能になったのである。かたちを与えられたのである。ゆえにわたしたちは、日米安全保障条約と日本国憲法の発生、その生い立ちに対して、同じひとつの裁定を下さなければならない。日本国憲法第九条は和姦だったが、この条約の改定、その強行採決は強姦だ、押しつけられたものだと主張することはゆるされないことを、わたしたちは、肝に銘じておかなければならないと思う。
丘の上の動物園
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/11/06
- メディア: 雑誌
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一年の中で最も日が長い季節とはいえ、赤くぽってりとした夕日のおなかが丘の稜線に触れてから暗くなるまではあっというまだった。コウノトリの巨大なケージの網のあいだから空が擦り抜けるようにして落ちていった。明るいうちは展示場の中を所狭しと走りまわっていたエミューも膝をつき、干し草の山のようなかたちになって眠っていた。逆にタヌキは行動し始めたようだけど、暗くてそこに何匹いるかもわからなかった。オジロワシの白い尾が月明かりを受けて、枝も葉もない木のてっぺんに浮かんでいた。
11月6日発売の『すばる 12月号』に、あたらしい小説を発表しました。気づいたら、三年近くたってました。いつか観た、夜の遊園地をさまよい歩く孤児の少年が、結局最後は逮捕されるか補導されるかして車に乗せられ街を離れる、えらく感動したのに名前を思い出せなくて観たのはそれ一度きりのフランス映画みたいな小説を書きたいと思い始めた仕事なのですが、夜の動物園を歩いたのはほんの一瞬でした。夜よりも暗い、あるものに触れ、抱きしめるようにして書きました。